前世療法、福岡旅行2

というわけで、成田からピーチで福岡に来たわけです。到着は夜の8時過ぎ。

翌日午後2時、ようやっと、センターの最寄駅に降り立ちました。

ザ・地味な田舎の町。

住宅と個人商店がポツポツあるだけ。センターらしき建物なんか気配すらありません。

心許ない思いをしながら、グーグルの地図に従って歩き、散々迷って、やっとピンと現在地が一致したのに。

??

家じゃん。しかも超普通の。

あっ、一階が一応そういうスペースになっているのか、パワーストーン的なものがたくさん置いてある。

でも、いかにも、親戚のおばあちゃんちって感じで、変な雰囲気はない。

「こんにちは〜。」と入ってみる。

パーマをかけたふくよかなおばあちゃんが、こちらを向き、「いらっしゃい。」と言った。

うーん。これまたいかにも親戚のおばあちゃんって感じ。

狭いその部屋は、真ん中に背の高い本棚が置かれていて、本棚の手前にテーブルと椅子、奥に前世療法をするためのリクライニングソファが置かれている。

まず、先生と向かいあって座り、名前年齢住所悩み等を紙に書き、そのあと、性格診断をやらされる。そして、その紙をもとに先生と話す。あと、帰りの飛行機の時間についても伝えておいた。

うん、ここまでは想定内。

でも、話が進むにつれ、なんだかなあと思う瞬間が多くなった。

というのも、先生が自分の話をしまくるからである。

私が1言うと20返ってくる。

自分の子供の頃の話、娘さんの話、旦那さんの話……。

先生の話がつまらないわけではない。でも、あんまりにも長すぎる!飛行機の時間だってあるし、そんなにゆっくりしていられないのに。しかも、もうお年を召されているからなのだろう、同じ話を何度もする。

うーん。なんだかこれで良かったのかなあ。

この後に前世を見せてくれるんだと思って、頑張って、うんうんと楽しそうに話を聞いて相槌を打っていたが、正直辛かった。

しかも、時計を見ると、とっくに三時間近く経っていた。確か、前世未来世療法3時間で35000円だったよね?

痺れを切らし、キリの良いところで、笑顔で「お話ありがとうございました。」と言った。

さすがに察したのか、「ではこれから、今のあなたに一番影響を与えている前世を見せてあげます。」と言い出した。

そう、これこれ。前世が見たかったんだよ。

「じゃあ、あちらに移動しましょう。ソファに寝ててください。暗くしますから。」と言われた。

ふぅ。長い話を聞いて疲れ切った私は前世を見せてもらえる期待感より、話からの解放感で身体が軽くなった気がした。(続く)